大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和23(れ)1984 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人布施辰治の上告趣意は末尾に添付した別紙書面記載の通りである。

上告趣意第一点について。

所論の如く、拳銃の構造様式等について、、詳細に判示することは望ましいこと

ではあるが、それをしないからとて違法とはいえない。けだし拳銃と言えば、社会

通念上、弾丸発射の機能を有する装薬銃砲であることがわかるのであるから、銃砲

等所持禁止令に所謂銃砲に該当するものであることを窺い知ることができるし、ま

た原判決挙示の証拠物によつて、同法の所謂銃砲に該当することを認め得るから、

所論の如き違法はない。従つて論旨は理由がない。

同第二点について。

しかし、原判決において証拠として挙示した被告人の、原審公判における供述に

よれば、昭和二二年九月八日頃、被告人が判示場所において判示挙銃を所持してい

た事実を認めることができる。所論の如く、被告人は同月九日判示拳銃を知人のA

に保管方を依頼して、同月十一日帰国したとしても、同月八日頃右拳銃を所持して

いたという判示事実を否定する理由とはならない。論旨は、判示銃砲は昭和二二年

八月二八日から所持しているのであるから、銃砲等所持禁止令第二条の適用を受く

べきであるのに、むしろ所持を抛棄した同月八、九日頃の所持を罰することは、法

律の適用を誤つた違法があるというのであるが、被告人の挙銃所持は所論の通りで

あるとしても、判示九月八日頃に所持していた事実がある以上、同法第一条を適用

することは当然であるから、論旨は理由がない。

同第三点について。

しかし、未成年者であるからとて、弁護人を附さなければ公判の審理ができない

- 1 -

とは限らない。そして、昭和二十二年十一月十八日淀橋警察署勤務司法警察官警部

補B作成の被告人に対する訊問調書及び同年同月十九日東京地方裁判所書記C作成

の被告人に対する同裁判所判事D尋問調書に徴すれば、何れも弁護人の選任ができ

る旨の記載があるから、弁護人を附けることができる旨の注意を与へないという論

旨は理由がない。

よつて刑事訴訟法施行法第二条旧刑事訴訟法第四四六条により主文通のり判決す

る。

以上は裁判官全員一致の意見である。

検察官 安平政吉関与

昭和二四年四月五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!